圧力センサの動作原理
半導体式圧力センサの構造と動作説明
センサチップの構造
シリコンチップ受圧部(シリコンダイアフラム)には、通常のIC製作工程と同様に不純物拡散によってシリコンゲージが形成されています。
シリコンチップに圧力が加わると、そのたわみに応じ、ゲージ抵抗が変化し電気信号に変換されます。(ピエゾ抵抗効果)
このゲージは、ゲージ率が大きいという特徴があります。(金属ゲージは2~3に対し、シリコンゲー ジは数10~100)。
このため高い出力を得られれることから、厚いダイアフラムでの製作が可能となり、圧力センサの耐圧性が向上しています。
対象機種
半導体式圧力センサ
VSW2(低圧用) など
半導体隔膜式圧力センサの構造と動作説明
半導体隔膜式圧力センサとは、直接測定媒体と接する耐腐食性の高い金属ダイアフラム(ハステロイC-22相当やSUS316Lなど)と、封入されているシリコンオイルを介して圧力を検出するシリコンチップ(シリコンダイアフラム)からなる二重ダイアフラム方式が採用されているものをいいます。
圧力導入口を通じて直接、測定媒体と接するのはSUS316Lダイアフラム(またはハステロイC-22相当など)であり、それを浸さない媒体(エアー、水、油、その他)を安定して計測することができます。[接続ネジ形状G3/8時は配管とのシールにOリング(フッ素ゴム)を使用いたします。]
特長
- 正圧・負圧・連成圧・絶対圧の測定ができる各種センサエレメントの製作が可能
- 直接媒体に接する受圧部材質はハステロイC-22相当、SUS316Lで製作可能なため、耐腐食性能が優れている
- 圧力を検出するシリコンチップのダイアフラムが厚いため、耐圧性能が優れている
対象機種
半導体隔膜式圧力センサ
VESW, VESX, VESY, VESZ, VHR3, VHG3, VAR3, VAG3, VPNPR, VPNPG, VNF, HS1, HV1, AS1, AV1, NS1, NV1, VESI, VESV, VSW2, VST など
歪みゲージ式圧力センサの構造と動作説明
歪みゲージ式圧力センサの構造と動作説明
受圧部の金属ダイアフラムの裏側に左図の抵抗ブリッジを貼り、圧力を加えることによって変化する金属ダイアフラムの歪み量を電圧変化として検出します。
金属ダイアフラム面の中でも歪み量の多いところと少ないところがあるため4カ所の抵抗を貼り、歪み量の偏りがあっても正しく検出する構造になっています。
特長
- 溶接・Oリングのつなぎ目がなく、ダイアフラム一体構造のため頑丈・長寿命
- 高精度・高温(150℃)対応の製作が可能
対象機種
歪みゲージ式圧力センサ
VSD4, NSMS-A6VB, HSSC, HSSC-A6V, VHS, VHST, HSMC2, HSMC, VPE, VPB, VPRT, VPRTF, VPRQ, VPRQF, VPVT, VPVTF, VPVQ, VPVQF, VPRF, VFM, VF, VFS, VTRF, VPRF2, VPRH2 など
薄膜式圧力センサの構造と動作説明
薄膜式圧力センサの構造と動作説明
弊社の薄膜式圧力センサはダイアフラム方式になっており、金属ゲージ薄膜を採用しています。圧力導入口から圧力が加わるとダイアフラムが変形し、ダイアフラム上に形成された金属ゲージ薄膜が歪むことによって発生する電気抵抗の変化を検出します。
歪みゲージ式圧力センサに比べて高感度な出力が得られ、また、半導体式圧力センサに比べ温度係数が小さいという特長を持っています。
特長
- 温度係数が一定のため温度特性がたいへん優れている
- 経年変化が少なく長期に安定した出力を得られる
- 高温(200℃)対応が可能
対象機種
VSW2
測定原理
入力に電気の流れがある状態で、金属ゲージ薄膜に圧力が加わり、歪みが生じると、出力側に電気的信号の変化となって現れます。